自然にやさしい石鹸/自然を壊す合成洗剤
石鹸は魚や微生物に食べられる
石鹸(脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム)は河川や海洋に流れ込むと、
水中に存在しているカルシウムと結びついて、
白い粒子状のカルシウム石鹸(脂肪酸カルシウム)に変化します。
このカルシウム石鹸は河川・海洋の中で生きている魚や微生物のエサになります。
下水処理場に流れ込む場合には場内の活性汚泥中にいる微生物によって完全に分解されます。
カルシウム石鹸は牛や鶏の飼料
実は、このカルシウム石鹸は牛や鶏のエサとしても飼料工場で生産されています。
カルシウム石鹸を与えられた乳牛はカルシウムが豊富な牛乳を出します。
同様に鶏はカルシウムが豊富な卵を産みます。
このことからも解る通り、カルシウム石鹸は安全であり、生物のエサとなります。
食物連鎖に組み込まれる
石鹸は使用後にカルシウム石鹸に変化することによって、
「自然界の食物連鎖」に組み込まれます。
河川・海洋のどこを調査しても石鹸は1ppmも検出されません。
石鹸は魚に食べられ、さらに微生物に生分解されて自然に還ります。
合成洗剤の生分解は困難
石鹸と異なって、合成洗剤は魚や微生物による分解がなかなか行われません。
合成洗剤は工場で高温・高圧(500℃・50気圧)を与えて、
強制的に化学変化させることで製造されているため、
微生物による生分解が困難で、海底や川底に堆積してしまい、
その毒性が残り続けて自然環境・生物に悪影響を与えています。
1997年の洗剤環境科学研究会という学会において、
東京農工大の高田秀重先生が東京湾の汚染状況を発表されました。
東京湾の海底の堆積物を調査したところ、
合成洗剤に含有している直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が
200ppbという高い数値で検出されたことが発表されました。
この直鎖アルキルベンゼンスルホン酸は第1種の有害化学物質(PRTR制度)に指定されています。
PRTR制度:化学物質排出移動量届出制度
PRTR制度とは?
私たちの日常・暮らしの中には化学物質が溢れています。
一般に市販されている食器洗い用洗剤やお部屋の拭き掃除用洗剤、
洗濯用の洗剤や柔軟剤などには たくさんの様々な化学物質が含有されています。
これらは下水道を通じて河川から海洋へ放出されて、
人の健康や多くの生物に悪い影響を与える可能性があります。
1999年に特定化学物質の環境への排出量を、
把握等及び管理の改善の促進に関する法律が制定されました。
この法律によって、PRTR制度(有害化学物質排出・移動量届出制度)が施工されました。
PRTR制度によって「化学物質がどこから、どのように、どれくらい排出されているか」を
私たちは知ることができるようになりました。
この法律で指定されている化学物質を減少させることによって、
健康や環境への悪影響を減らすことができます。
この法律が指定している化学物質は462個あります。
対象となる化学物質は、以下の条件に該当する物質です。
・人の健康を損なうおそれがあるもの
・動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼす恐れがあるもの
有害化学物質とは?
市販されている多くの洗剤が含有している合成界面活性剤を以下のリストに纏めました。
■第1種有害化学物質に指定された9種の合成界面活性剤
項番 | 物質名称 | 用途 |
---|---|---|
1 | 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び その塩 | 洗濯用・台所用合成洗剤 |
2 | N,N-ジメチルドデシルアミン=N-オキシド/アルキルアミンオキシド | 台所用合成洗剤 |
3 | 2-スルホヘキサデカン酸-1-メチルエステルナトリウム酸/α-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム | 洗濯用合成洗剤 |
4 | ドデシル硫酸ナトリウム/ラウリル硫酸ナトリウム | 洗濯用・台所用合成洗剤 |
5 | ヘキサデシルトリメチルアンモニウム=クロリド/塩化アルキルトリメチルアンモニウム | 柔軟剤 |
6 | ポリ (オキシエチレン)=アルキルエーテル | 洗濯用・台所用・住居用合成洗剤 |
7 | ポリ (オキシエチレン)=オクチルフェニルエーテル | 業務用合成洗剤 |
8 | ポリ (オキシエチレン)=ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム | 洗濯用・台所用・住居用合成洗剤 |
9 | ポリ (オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル | 業務用合成洗剤 |
現在、市販されている洗濯用、キッチン用合成洗剤のほどんどが
このリストに記載された成分を使用しています。
これらの情報の概要や詳細は、環境省のWebSiteにて確認できます。
※環境省 PRTRインフォメーション広場
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/guidebook.html
※環境省 PRTRについて
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/law/prtr_panf/panph-pdf/PRTR_2012_pamph.pdf
エコ洗剤・洗浄剤の紹介
「アルカリウォッシュ」:セスキ炭酸ソーダ
原材料は何?
「重曹」と「炭酸塩」の中間の物質であるセスキ炭酸ナトリウムから作られています。
原材料は、天然に産出されるソーダ化合物である「トロナ鉱石」です。
(アメリカ・ワイオミング州グリーンリバー産出)
この鉱石を粉末状にすることでアルカリ性洗浄剤として活用されています。
有害物質は含まれているの?
鉱石を砕いただけのものなので、有害な化学物質は一切含有していないです。
とても安心できる洗浄剤です。
どんな特徴?
アルカリ性の洗浄剤なので、油汚れやカビ等に対して洗浄力があります。
無臭でクリーニング後に洗剤の匂いが残ることはありません。
環境への負担は?
鉱石を砕いただけのものであり、無機物のため、
川や海に放出されても生分解の必要はなく、環境への負担がとても少ないです。
「アルカリ洗浄剤」:セスキ炭酸ソーダと炭酸ナトリウムをブレンドした洗浄剤
(※石けん百貨HPより引用)
どんな洗浄剤?
石けん百貨株式会社が独自に開発した、
セスキ炭酸ソーダをベースに炭酸ソーダをブレンドした洗浄剤です。
有害物質は含まれているの?
セスキ炭酸ソーダは前項にて記したとおり、有害な化学物質を一切含有しておらず安全です。
(※石けん百貨より引用)
炭酸ソーダは、炭酸塩の一種で炭酸ナトリウムともいいます。
重曹、セスキ炭酸ソーダと比べてpHが高く、家庭用アルカリ剤の中では、もっとも強力。
もちろん重曹やセスキ炭酸ソーダと同じ無機物なので、環境中に放出されても生分解不要。
有機物と違って河川の有機汚濁を引きおこさないので環境に負担をかけにくいアイテムです。
(※石けん百貨HPより引用)
さらに炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)は、洗浄剤としての役割以外に
中華麺のかん水やワンタンや餃子の皮の原材料として、
こんにゃく製造時の凝固剤として等、
様々な食品にも活用されています。
どんな特徴?
セスキ炭酸ソーダをベースに炭酸ソーダを程よく配合することで、さらに洗浄力がアップしています。
「アルカリウォッシュ」と同様に無臭でクリーニング後に洗剤の匂いが残ることはありません。
「油汚れに強い台所用石けん」:セスキ炭酸ソーダを助剤にした液体石鹸
(※石けん百貨HPより引用)
どんな洗剤?
石けん百貨株式会社が独自に開発した台所用液体石けんです。
有害物質は含まれているの?
セスキ炭酸ソーダは前々項にて記したとおり、有害な化学物質を一切含有していません。
石けんも植物由来の素材から作られており安全です。
どんな特徴?
無香料・無着色の手肌にやさしい石けん分に、
セスキ炭酸ソーダを配合して油汚れに対する洗浄力を高めています。
油汚れが沢山付いた食器洗い、脂の多い素材を調理した鍋やフライパン洗いなどもスッキリ。
油汚れが取れにくいプラスチック製のタッパーやお弁当箱もキュッと洗い上げます。
除菌テストにもクリア<(一財)カケンテストセンター調べ>。
キッチンスポンジを菌汚染からブロックして清潔に保ちます。布巾洗いにもおすすめ。
(※石けん百貨より引用)
「えがおの力」:植物由来の液体石鹸
原材料は何?
米ぬか・ヤシ・松から抽出したオイルと水を主成分として作られています。
有害物質は含まれているの?
汚染物質排出移動登録(PRTR)制度が指定する化学物質を一切含んでいない安全な液体状の石鹸です。
除菌の効果は?
手肌にやさしく、一方で高い洗浄力があり、大腸菌・黄色ぶどう球菌に対する除菌効果があります。
環境への負担は?
生分解性98%(JIS法)と、とても高いため、
川や海にそのまま流れても微生物に分解され易く、最終的に二酸化炭素と水などの無機物になります。
どれくらい安全なの?
一般社団法人食品分析センターによる、
食品衛生法に基づく食品・添加物等の成分規格基準の洗浄成分分析の結果(2017年7月)から、
「野菜・果物」及び「飲食器」に用いる洗浄剤として適合していることが確認されています。
人にやさしく、安全な液体石鹸です。